孔雀図(くじゃくず) 長谷川玉峰・玉純筆 各1幅 江戸・大正時代 個人蔵

玉峰は、文政5年(1822)、長谷川玄門の子として京都に生まれた。名は師盈(しえい)といい、字を士進、玉峰と号した。絵を四条派の松村景文に学び、花鳥人物画を得意として、幕末・ 維新期に活躍した。

玉純は文久3年(1863)、玉峰の長子として京都に生まれ、名は師精、玉純と号した。絵を父玉峰に学び、20代半ばで画壇にデビューし、明治20年に「新古美術会」に出品した『御苑暁雲図 』は天皇ご用品として買い上げられるなど、確固たる地位を築いていった。
幕末から明治・大正へと大きく時代が変わるなか、日本画も西洋画の技法や構図を取り入れることにより、画風を変化させて行く。玉峰・玉純父子のような、近世と近代を結ぶ懸け橋のような 画家がいてこそ、現代に至るまでの道が開けた。